家族がインフルエンザに感染したら?オンライン診療での「みなし陽性」と抗インフルエンザ薬について

健康

ご家族がインフルエンザと診断された後、ご自身にも発熱や喉の痛み、咳、倦怠感などの症状が出てきたことはありませんか?

「家族がインフルエンザなので、自分も感染した可能性が高い。でも、つらい症状がある中で病院に行くのは大変……」

このような場合、オンライン診療を利用することで、自宅にいながら医師に相談できることがあります。

今回は、家族内でインフルエンザが発生した場合のオンライン診療と、タミフル・ゾフルーザ・イナビル・リレンザなどの抗インフルエンザ薬について、患者さん向けに解説します。

1.家族がインフルエンザなら、自分も感染している可能性があります

インフルエンザは感染力が強く、家庭内で広がることがあります。

例えば、次のようなケースです。

  • お子さんが医療機関でインフルエンザと診断された
  • 翌日、同居しているご家族にも発熱や悪寒、関節痛が出てきた
  • ご家族と同じように、急な倦怠感や咳、喉の痛みが現れた

このような場合、ご自身もインフルエンザに感染している可能性があります。

ただし、家族がインフルエンザだからといって、ご自身の感染が確定するわけではありません。

新型コロナウイルス感染症など、インフルエンザと似た症状を起こす病気もあります。

そのため、家族の感染状況だけでなく、ご自身の症状や発症した時期、持病なども踏まえて判断することが大切です。

2.「みなし陽性」とは何ですか?

「みなし陽性」とは、一般的に、検査で陽性が確認されていなくても、周囲の感染状況や本人の症状などから感染している可能性が高いと判断することを指して使われる言葉です。

家族内でインフルエンザが確認され、ご自身にも典型的な症状が現れている場合、医師がインフルエンザの可能性が高いと判断することがあります。

ただし、家族が陽性であれば、本人も自動的に陽性として扱われるわけではありません。

検査を行わずに診療する場合でも、医師が症状や経過などを確認し、診療上の判断を行います。状況によっては、検査や対面での診察が必要です。

また、検査を行わずに診断した場合には、インフルエンザであることが確定していない点にも注意が必要です。

3.オンライン診療で抗インフルエンザ薬を処方してもらえることはありますか?

症状や家族の感染状況によっては、オンライン診療でインフルエンザの可能性について医師に相談できます。

オンライン診療では、主に次のような点を確認します。

  • 同居するご家族がインフルエンザと診断されているか
  • ご自身の症状はいつから始まったか
  • 発熱、咳、喉の痛み、悪寒、関節痛などがあるか
  • 持病や普段服用している薬があるか
  • 呼吸状態や水分摂取の状況に問題がないか

これらの情報をもとに、オンライン診療で対応できるかを判断します。

医師がインフルエンザの可能性が高く、オンラインでの診療が適切と判断した場合には、抗インフルエンザ薬の処方を検討することがあります。

一方、症状や経過から別の病気が疑われる場合や、十分な情報が得られない場合には、対面診療や検査をご案内することがあります。

オンライン診療を受ければ、必ず抗インフルエンザ薬が処方されるというわけではありません。

4.インフルエンザの治療薬にはどのような種類がありますか?

インフルエンザの治療では、症状や年齢、持病、薬の使用方法などを考慮して、抗インフルエンザ薬を選択します。

代表的な薬には、次のようなものがあります。

タミフル(オセルタミビル)

飲み薬です。一般的に、決められた期間、服用を続けます。

カプセルやドライシロップなどがあり、年齢や体重などに応じて使い分けます。腎機能などによって用量の調整が必要になる場合もあります。

ゾフルーザ(バロキサビル)

飲み薬です。通常、治療では1回の服用で済むことが特徴です。

ただし、年齢や体重などによって用量が異なり、すべての方に適しているわけではありません。また、薬剤耐性などを考慮して選択する必要があります。

イナビル(ラニナミビル)

吸入するタイプの薬です。治療では通常、1回の吸入で使用する薬です。

吸入する力や手技が十分でないと、適切に薬を吸入できない場合があります。年齢や症状などに応じて使用を判断します。

リレンザ(ザナミビル)

こちらも吸入するタイプの薬です。通常、複数日にわたって吸入します。

正しい吸入方法を理解し、実行できることが大切です。喘息などの呼吸器疾患がある方では、使用について特に注意が必要です。

このほか、点滴で使用する薬などもあります。

どの薬がよいかは、患者さんの状態によって異なります。 ご自身の判断で薬を選ぶのではなく、医師に相談してください。

5.抗インフルエンザ薬は、発症してから早めの相談が大切です

抗インフルエンザ薬は、一般に症状が出始めてから48時間以内に使用を開始すると、効果が期待されます。

ただし、48時間を過ぎたら必ず使用できないという意味ではありません。症状の程度や重症化リスクなどによって判断が異なります。

また、抗インフルエンザ薬は、すべての患者さんに必ず必要というわけではありません。

そのため、発熱や倦怠感などの症状が出た場合には、我慢しすぎず、早めに医療機関へ相談することをおすすめします。

オンライン診療を利用する場合も、症状が始まった日時をできるだけ正確に伝えてください。

6.オンライン診療を受ける際に注意していただきたいこと

オンライン診療では、直接の診察と比べて、確認できる情報に限りがあります。

そのため、次の点にご注意ください。

症状や家族の感染状況を正確に伝えましょう

ご家族がいつインフルエンザと診断されたのか、ご自身の症状がいつ始まったのかを伝えてください。

また、体温、咳や喉の痛みの程度、持病、服用中の薬、薬のアレルギーなどについても、できるだけ正確に伝えることが大切です。

自宅にある薬を自己判断で使用しないでください

以前処方されたタミフルやゾフルーザなどが自宅に残っていても、自己判断で服用しないでください。

薬には使用期限や適切な用量があり、現在の症状に適しているとは限りません。

ご家族に処方された薬を分けてもらうことも避けてください。

症状が強い場合は、オンライン診療だけで済ませないでください

次のような症状がある場合には、オンライン診療にこだわらず、速やかに対面での診察を受けてください。

  • 息苦しさや呼吸困難がある
  • 意識がぼんやりする、呼びかけへの反応がおかしい
  • 水分がほとんど取れない、尿が極端に少ない
  • 強い胸痛など、普段と明らかに異なる症状がある
  • 急速に症状が悪化している

意識障害や強い呼吸困難など、緊急性が高い症状がある場合は、救急車の要請も検討してください。

特に、小さなお子さん、高齢の方、妊娠中の方、基礎疾患のある方などは、重症化のリスクを考慮して早めに医療機関へ相談しましょう。

7.ご家族がインフルエンザにかかったときは、オンライン診療も選択肢の一つです

家族内でインフルエンザが流行すると、ご自身にも同じような症状が現れることがあります。

そのようなとき、体調が悪い中で医療機関へ出向くことが難しい場合には、オンライン診療が役立つことがあります。

ご家族の感染状況やご自身の症状を医師に伝えることで、インフルエンザの可能性や治療について相談できます。

ただし、家族が陽性であっても本人の感染が確定するわけではなく、薬の処方には医師の判断が必要です。症状によっては検査や対面診療が必要になることもあります。

当院では、患者さんの症状や状況を確認しながら、オンライン診療で対応できるかを判断しています。

ご家族がインフルエンザにかかり、ご自身にも発熱や倦怠感などの症状が現れた場合には、早めに医療機関へご相談ください。

※オンライン診療の実施および薬の処方は、診察の結果に基づいて判断します。すべての患者さんにオンライン診療や抗インフルエンザ薬の処方が適用されるわけではありません。

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